11月13日 (土)  「たかやん議員日記」2004.第241弾! 

「たかやん議員日記」2004.第241弾!  11月13日(土)

誕生日おめでとう!
陵平。18歳の誕生日おめでとう!僕は毎日のように陵平の写真を見ているから(いつも手帳に挟んであるんだ。)どうも君が生きているような気になってしまうんだ。だからこのメールもどうにかして君のところまで届かないかなと思っている。

陵平。僕はね、君に謝らなければいけないことがあるんだ。それはね、陵平。僕が二中から逃げてしまったこと。「生徒と仲良くするな!」「理科準備室に私物を持ち込むな!」と毎日のように責められてね、僕はこのまま二中にいたらもう病気になって死んでしまうんじゃあないかと思ってしまったんだよ。最初の日に「二中の校歌」を覚えてね。五中や六中と同じように二中に10年いようと決心してきた学校だったのにね。ダメだったんだ。僕に管理、管理で生徒を縛り付ける教育はどうしてもできなかったんだよ。僕はね、弱虫だったからたった1年で二中をやめてしまったんだ。6月にはもう「来年の春みんなと一緒に卒業する。」と宣言して、3年2組の子ども達と一緒に卒業してしまったんだ。大好きだったサッカー部の子達と別れるために、6月から練習行くのを我慢して、嫌われるのを我慢して・・・僕は二中をやめてしまった。しばらくは二中の前を通ることができなかったよ。胃が痛くなって来るんだ。あの頃いじめられたことが思い出されてね。子ども達との思い出は最高なのに・・・二中の前を通ることができない・・・僕はね。二中に神経をやられてしまったのかも知れないね。僕がいなくなって理科のT先生も病気になってね。あれも僕がいなくなったせいじゃないかと思っているんだ。

だけど陵平。君達生徒はあの学校から逃げたくても逃げられなかった。僕はね、そんな当たり前のことが分かっていなかったんだ。自分のために逃げ出してしまったダメ教師だったんだ。それほど僕は苦しかった。3年生の子達は大好きだったのに、職員室では殆ど孤立していたね。何をやっても怒られてね。何で目の敵にされるのか分からなかったんだ。でもそれもみんな言い訳だね。

いつも考えるんだよ。もしあの時僕がいたらって・・・・もし僕だったら、ベランダでお菓子を食べた陵平に会っていたら「俺にもくれよ!」と言って一緒に食べていただろうなあ。「見つかるんじゃないぞ!」って言ってね。あの理科準備室は3年生だけじゃなくて、1年生や2年生も休み時間に遊びに来ていたから、もしかしたら陵平もきていたかも知れない。そうしたらきっとそこで何かを飲みながら僕と話をしていたから、「お菓子事件」をそんなに真剣には考えなかったんじゃないかと思うんだ。

休み時間にベランダに出たっていいんだよ、陵平。休み時間にお菓子食べたっていいんだよ、陵平。人としてちっとも恥ずかしいことじゃあないんだ。ライターを持ってきたことだって、それだけで悪いことだとは思わない。何かに火が付いたら危ないから、それは「ライターに火がついたら危ないぞ!」と怒って職員室の僕の机の引き出しに何年か入っていたんだろうね。勿論担任もお母さんもそんなことは知らないうちに陵平は二中を卒業して、そして今君は高校3年生だ。そうだよ、陵平。僕があの時二中にいたら、君は今高校3年生で受験勉強の真最中で、きっと恋愛の真最中で・・・・そういうことが何もできないで、死んでしまったのは、僕のせいかもしれない・・・そう思うことがよくあるんです。

ごめんね、陵平。僕が弱虫で、ごめんね。あの理科準備室で君の笑顔に会いたかったよ。12歳、13歳の君と会いたかったよ。

陵平・・・18歳の誕生日おめでとう!陵平って木村拓哉と同じ誕生日だったんだね。

陵平。二中は変わったよ。明るくなったよ。色んな子ども達がいるよ。規則を守らない子もたくさんいるよ。それが学校だよね。色んな先生がいて、いろんな子ども達がいて、色んな価値観がある。それが健全な学校だよね、陵平。
最近、やっと二中へ行けるようになったんだよ。胃が痛くなくなってきたんだ。それもみんな陵平のお陰かも知れない。

ありがとう陵平。おやすみ、陵平。