10月3日 (月)  「たかやん議員日記」2005.第272弾! 

「たかやん議員日記」2005.第272弾!  10月3日(月)


父さんが意識を失ったのは亡くなる何日前だっただろう。その頃はおばあちゃんも生きていて、「新太郎!」と声をかけたが、父さんはピクりともしなかった。母さんが「お父さん!」と声をかけても、兄貴達が「お父さん!」と叫んでも父さんは反応しなかった。ところが最後に僕が「父さん、雪だよ!」と雪を抱いて叫ぶと、父さんは突然起き上がって、雪のことをしっかりと抱きしめたのだ。父さんの目からは涙が溢れていたのを覚えている。そして、父さんはバタンと倒れ、意識が戻ることは一度もなかった。雪は父さんに怒られたことが一度もなかった。悪いことをしても「だめでちゅよ!」と手をさするほど、父さんは雪のことを可愛がった。その雪がいつの間にか二人のお母さんになった。25年経ってもきっと父さんは雪を見守ってくれているのだろう。そしてきっと、会うことの無かった亮や空のことも・・・・。

世界一周
頭の中で世界一周をするのはなかなか面白い。ホンの数分で一周できるから時間もお金もかからないし、テロに遭う危険もない。まだ時々オセアニアで躓くが、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカは完璧だ。今日は朝から世界一周を5回ほど、5周ほどしてみた。頭の中で地球儀がくるくる回っているような気分で楽しいのである。

陵平のお祖母ちゃん
陵平のお母さんの政江さんからメールが来た。
高邑さん、1日はありがとうございました。母が「毎年命日はいやなもの。今年は、嬉しい命日になったよ。ほんとうにいい日になった。」と電話で話していました。

そのメールを読んで、僕は涙が出そうになった。ずっとずっとお祖母ちゃんも苦しんできたのだ。可愛い孫を突然失って・・・・この5年間、命日の度に泣いてきたのだ。そう思うと胸の奥が痛くなってきて、僕の胸も苦しくなってしまう。父さんが雪を可愛がったように、陵平のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんも陵平を愛したはずだ。あんな風に陵平が死んでしまって、どんなに悔しくて、そして苦しかっただろう・・。そしてどれだけ娘の政江さんのことを心配しただろう・・・・。娘が嘆き悲しむ姿を見て、どんなに辛かっただろう・・・。陵平を恐怖のどん底に突き落とし、政江さん達を苦しめたのは誰だったのか・・・・本人達はとっくに気付いているはずだ。人間なら気付いているはずだ。

面会謝絶
和彦が遂に「面会謝絶」状態になった。面会が辛くなってきたのだろう。あいつは友だちが多いから、面会人がたくさん来てしまって・・・みんなに気を使う奴だから・・・きっと疲れてしまうのだろう。体中が痛いのだから、少し眠るといい。痛みと無理に戦うことはない。僕らのことはもう気にしないで、ゆっくりと眠ることだ。お休み、和彦。いい夢を見るんだぜ。