2月10日 (木)  「たかやん議員日記」2005.第41弾!

「たかやん議員日記」2005.第41弾!  2月10日(木)

親友の誕生日
今日は僕の友達の誕生日だ。僕より4つ上の友達とは今から14年前に出会った。彼の名前は「島 至」。普段僕は「至君」とか「至」とか呼んでいる。至は僕にとって友達といういり兄貴に近い存在かも知れない。いつも穏やかで僕の全てを受け入れてくれ、それでいて時々“喝”も入れてくれる。そんな至が去年の今日本を出版した。僕は至の本を塾の授業で使ったのだが、何度読んでも心の栄養になる詩や言葉がそこにはある。

本の題名は“窓ガラスが鏡に変わるとき”。その中の一節を紹介しよう。

あなたが愛する人は・・・・

あなたが経営者なら
あなたのような人を採用したいと思うだろうか
あなたが上司なら
あなたのような人を部下に欲しいと思うだろうか
あなたが夫なら
あなたのような人を妻にしたいと思うだろうか
あなたが愛する人は
あなたのような人だろうか・・・・




「もっと金をくれ」と言って相手の財布の紐をきつくさせる
「俺は正当に評価をされてない」と言って評価を下げていく
「俺をもっと上手に使え」と言う人ほど使いづらい
人を悪く言った時、言われた人は悪く思われない
言っているあなたが悪く思われる
誰をも愛する人が 誰からも愛されるのである
自分の周りの人が皆いい人に見えてきた時
あなたはいい人になる
今 あなたは世の中という鏡の前で自分を映しているのです
もっと明るい顔をしてごらん
明るい世の中が見えてくるから

窓ガラスが鏡に変わる時

学生の頃、僕は一年ほど放浪の旅にでた。
ナホトカまで船で向かいシベリア鉄道の列車に飛び乗った。
ふとヨーロッパに行きたいと思ったからだ。
列車に揺られること七日、そこは雪解けのヘルシンキの街だった。
貧乏旅行のためポケットにはわずかな滞在分のお金しかない。
到着するとすぐにアルバイト探しにかかった。
ユースホステルの中間達に尋ねると、すぐ近くに柔道の道場があることを教えてくれた。
幸い僕は柔道部に属し二段の有段者。
しかもその頃ヨーロッパでは「柔道」が盛り上がりをみせていた。
中間達の「講道館の二段だったらすぐにコーチに雇ってくれるよ!」という声を背に
勇躍道場破りに出かけたのだった。
「失礼します!私は日本から柔道を広めるためにやってきました。もしよければこちらでコーチとして雇ってもらえませんでしょうか?」
突然の来訪者に目を白黒させる人々。
ならば腕試しを、ということで何人かの生徒と乱取りを行った。
腕には自信があるし、好きで得意なことをアルバイトとなれば気合の入り方も違う。
バッタバッタと投げ飛ばしていった。
すると次に奥から道場主が現れた。見上げるような体つきの人だった。
旅行疲れも重なり、今度はバッタバッタと投げ飛ばされた。
不思議なほど歯が立たない。何度挑戦しても簡単に投げ飛ばされた。
そのうちに目眩がしてきた。「こりゃもうだめだ!」
遠のいていく意識のなか「参りました!」と頭を下げ、
気がつくと道場を飛び出していた。
「挫折!」この言葉が頭の中を駆け巡った。息が苦しかった。太陽が白く見えた。
そして傷心のまま北へ向う汽車に飛び乗った。
車窓からただひたすら景色を見るともなしに眺めていた。
いったいどれだけの時間が過ぎたのだろうか。
いつしか夕焼けた空に一番星が輝いていた。
それでもひたすら外を見続けていた。
そしてある瞬間、窓に自分の顔が映っていることに気がついた。
そうか!
僕はいろいろな世界を見たい、いろいろな人に出会いたいと思って旅に出た。
だが実際は自分を見つめる旅にでていたのだ!
窓には他でもない自分自身の姿が鮮明に映し出されていた。
世界を知るということは自分自身を知るということなんだ!
自分に見えている世界というのは実は自分自身を映しているんだ!
ゆっくりと日が沈み、窓ガラスが鏡に変るとき僕のなかで静かな革命が起こった。