9月19日 (月)  『たかやん塾日記』2005.第258弾!

『たかやん塾日記』2005.第258弾!  9月19日(月)

8時半
何年ぶりかでそんな時間に起きた。体が言うことを聞かなかったのだ。よっぽど疲れていたのだろう・・・。だけど和彦のことを考えたら、何も言えない。和彦は疲れることもできないのだ。食べることは勿論、水を飲むこともできないでいるのだ。少しくらい疲れただけで、いったい何だというのだ。僕らは幸せだ。水も飲めるし、ご飯も食べられる。お風呂にも入れるし、酒も飲める。好きな本を読むことができれば、勉強したいことを思い切り勉強することもできる。そして思いっきり外で暴れることもできるのだ。このくらいの疲れなんぞ、和彦の病気に比べたら・・・・・。

インタビュー
午前中は塾で教え子のインタビューを受けた。どうして教師になったのか・・・どうして教師をやめたのか・・・どうして塾をはじめたのか・・・どうして議員になったのか・・・そんな質問に答えていたら、いつの間にか1時間半が過ぎていた。教育と愛を語り始めるとなかなか止まらないのだ。

横浜
今日はもの凄く暑かったので、家族三人、車で横浜に向った。明日から本会議だから暫く横浜へはいけない。和彦との28年間を取り戻すことはできないが、今の僕達の時間を大事にしたいと思った。この3日間で和彦は随分痩せた。そして痛みがひどくなったようだ。「モルヒネの量がどんどん増えていくんだ。」「この間までは余命数ヶ月という単位だったのが、ここへ来てその単位が週になりやがった。」「本当に残り僅かになったよ。」
「痛くないか?」「おう大丈夫だ。」本当にやせ我慢をする奴だ。周りを心配させないように最後まで気を遣って・・・・「じゃあ、またな!」昨日のように僕らは思い切り握手をしたが、和彦の手の力が弱まってきているのに気付いた。癌細胞は日に日にあいつの体を蝕んでいるのだ。