9月25日 (日)  「たかやん議員日記」2005.第264弾!

「たかやん議員日記」2005.第264弾!  9月25日(日)

ビデオレター
和彦の病室にはビデオが置いてあった。「何するの?」と聞くと「ビデオレター作るんや。」と言う。今日の和彦はいつになく元気で、1週間前に会った時よりもシャキシャキしていた。人間というのは不思議だ。もうあと少ししか時間が無いと分かっている人間が、(さあ!これから一仕事するぞ!)と思っているのだから・・・・
僕がビデオレターを作るとしたら、いったい何人の人に残すだろう。娘や息子達には勿論残すとして・・・今ならお袋や、叔父さんや兄貴達にも残すのかな。そして勿論奥さんにも・・・・。だけどもしかしたらたくさんの教え子達にも残そうとするかも知れない。まだまだ気になる子達がたくさんいるから・・・・。

コンサート
今日の午前中にはコンサートもあったらしい。和彦の長女のゆみ子さんがエレクトーンで演奏したのだ。僕はその話を聞いて、昔国立癌センターの病室でやったコンサートを思い出した。担任していた教え子のお母さんが「たかやんの歌が聞きたい。」と僕を呼んだのだ。僕は手も声も震えて、うまく歌えなかった。もうすぐ死んでいくのが分かっている人に歌う歌だったから・・・・・「たかやん、お葬式でも大好きなアリスの歌を歌ってね。」と彼女は言った。だから僕は癌センターでも歌ったし、戸田の火葬場でもギターを弾いて歌ったのだ。彼女は乳がんからの転移。そして和彦は胃癌からの転移。

握手
僕らはまた最後に握手をした。今回は特別に長かった気がする。和彦も僕も、多分これが最後の握手だと感じていたからだと思う。