10月2日 (木)  『一生懸命』幻のたかやん日記 第275弾! 2008.10.2(木)   たかやん

『一生懸命』幻のたかやん日記 第275弾! 2008.10.2(木)   たかやん

母の悲しみ
「8年経ってもね、あの時の怒りと悲しみは変わらないんです・・・」「ひとりで部屋を片付けたり、8年前のことを思い出したり、写真を並べたり…、陵平の好きだっだ曲を流したり、そんなことをしていると、ただただ涙がこぼれるんです。」と政江さん。ベランダでハイチュウーを食べたことを学年全員の先生たちに責められて、生きられなくなった陵平。150センチもなかった少年が、10階のあの塀を乗り越えるときの恐怖は考えるだけで涙が出てくる。だけどそれよりも恐ろしかった学年集会が彼にその力を与えてしまう・・・当時の二中の空気を知る走太と僕には容易に想像がつく。そして陵平の沢山の仲間達もみな同じ感性を持っていた。13歳の息子を失ってしまった母の悲しみは、8年くらいの月日では消えるわけがない。「当時は気がつかなかったんです」「でも、卒業しておかしかったんだ!と気づきました」と女の子達。彼らもまた8年の月日を悲しみとともに生きてきたのだ。母の悲しみが消える日はこないだろう。政江さんが陵平のところへ旅立つ日まで。

ルール
悪いのはベランダでお菓子を食べた中学生だ。学校がルールを守るように指導して何が悪い・・・よく耳にする言葉だ。だがそれは素人の理屈である。確かに先生達は間違ってはいないだろう。ルールを破ることはいけないさ。でも・・・どれほどいけないことなのかな。学年全員の先生が登場するようなことを彼らはしたのかね。反省文を書くほどのことかね。親を呼び出したり、学年集会で「決意表明」をするようなことなのかね。学校に必要じゃないものを持ってきたことが、そんなにいけないことかね。お菓子を授業中に食べることに比べたら?コンビニで万引きすることに比べたら?校内でタバコを吸うことに比べたら?そして友達をいじめることに比べたら?そんなつまらないことで「本気」になってしまったら、いろんな事件が起きたときはいったいどうするのだ・・・と、21年間子ども達と一緒に中学校で生きてきた僕は思うのだ。中学生は本当にいろんなことをやってくれる。休み時間にベランダでお菓子・・・ああ、アホくさ・・。職員室じゃあコーヒーに紅茶にお菓子があるじゃないの・・・校長室には冷蔵庫まであっただろうに・・・。

教育
意外なことに、つまらないことで怒る教師集団はある範囲を超えると、お手上げになることが多いのだ。どんな格好をしようが、警察沙汰になろうが、もう全く相手にしなくなるのである。内申や成績をちらつかせて、子ども達が言うことを聞いている間は細かいことにうるさいが、子ども達の中に「そんなもんはもうどうでもいい」という子が現れると、途端に対応できなくなることが多いのである。細かいことをうるさく言うことが「生徒指導」と信じているのだろうが、そんな暇があったら、「学力向上」を真剣に考えたほうがいい。何といっても、授業が一番の仕事なのだから。そして何があっても決して子どもたちを諦めない・・・そういう教師集団であって欲しい。決して諦めない。それを背中で見せることこそ本物の教育である。      たかやん