10月14日 (水)  『一生懸命』幻のたかやん日記 第286弾! 2009.10.14(水)   たかやん

『一生懸命』幻のたかやん日記 第286弾! 2009.10.14(水)   たかやん

陵平味噌
我が家の朝ごはんは陵平味噌で始まる。毎朝、鰹節とのコンビネーションが堪らない。兎に角美味しいのである。陵平のおじいちゃんの畑で取れた大豆でできた陵平味噌。ところが、そのおじいちゃんの体が動かなくなってきた。大豆の収穫が難しくなってきたのだ。それで僕らは考えた。北海道産の大豆でも「陵平味噌」という名前にしようと。陵平のことを忘れて欲しくないのだ。いつまでも覚えていてほしい。そして、二度とああいう事件が起きて欲しくない。中学生達に死んでほしくない。そういう思いで、僕らは来年の冬も、そのまた次の年も陵平味噌を造りつづける。

ハイチュウ
陵平達が先生たちに捕まったのは、休み時間にベランダで食べたハイチュウが原因だった。学校で休み時間にお菓子を食べることは、どれくらい悪いことなのだろうか・・・授業中であれば「ゲンコツ」の刑くらいにはなりそうである。ハイチュウのゴミを散らかしても、僕ならやはり「ゲンコツ」の刑。あるいはハイチュウ「没収」の罰金刑もあるかも知れない。しかし、それで学年の先生達が集まることは考えられない。反省文を書かせることも、親に連絡することも、学年集会で決意表明をさせることも、まともな教師には考え付かないことだろう。

中学生
子どもたちは本当にいろんなことをやらかすのである。買い食いで目くじらを立てていたら、「万引き」の時はどうするのだ。全校集会で「もうしません!」と言わせるのか・・・それとも警察に引き渡すのか・・・昔の僕のように「貨幣偽造」をするような中学生は、間違いなく警察に引き渡されるのだろうなあ・・・。

先生
だけど、僕の先生は警察から僕らを守った。親にも連絡しなかった。それでも、僕らは泣いて、泣いて、泣いて反省して、そして二度と人のものを盗まなく、いや、盗めなくなった。大好きな河合先生に誓ったのだから、もう悪いことはできなくなったのだ。そして僕らは教師になった。40年前、新宿で「貨幣偽造」をした中学生は二人とも教師になったのである。一人は都立高校の教師に、そしてもう一人は新座の中学校の教師に・・・一人の先生の力はそれ程強く、大きく、温かいのである。

悪がき
二中のあの時の指導を僕らのような「悪がき」が受けていたら・・・誰も死ぬことはなかっただろう。陵平は「悪がき」にはなれなかったのだ。先生達の中に、「悪がき」だった人がいたら・・・陵平は助かっただろう。悪がきは、ハイチュウくらいでは馬鹿馬鹿しくて本気にはなれないのである。

腐ったミカン
一つのミカンが腐ると、他のミカンもどんどん腐っていく。だから腐ったミカンが少ないうちに手を打たないと・・・学校にはそういう考え方の人もいる。自分が腐った経験がない人の考え方だ。腐った経験のある教師は、腐ったみかんを元通りにする方法を考える。箱の中のミカンが全部腐っていたって、「大丈夫だ!俺がこんなに真面目になれたんだから、絶対この子たちは大丈夫だ!」と本気で考えるのだ。そしてミカンは甦る。そういう自信は大きい。自分の体験なのだから、これ程強い自信はない。そして、それこそが河合先生への恩返しなのである。河合先生から受けた愛は先生には返せない。先生もそれを望んではいない。僕らは、それをひたすら子どもたちに返すのである。僕は、それが楽しくて21年間教師をやっていた。そして今でも少しずつだが恩返しをしている積りである。

今日の写真
親友のキムとのツーショット。我が家でご飯を食べてはAETとしての愚痴をこぼしていたなあ・・・。空とはよく遊んでくれた。ひとみの料理にもの凄く興味を持って、いつもレシピを聞いていたっけ。ジェフ、アンジェロ、シェパード、シム、ダニエル、トム、スティーブそしてキム・・・みんな元気でやってるかな。そう言えば、新座の英会話のシステムを褒めたネイティブはゼロだったなあ。みんな色々なところで経験してきているから、どうしようもなく見えたのだろう。事実だからしょうがない。年間7000万以上もかけているのに・・・本当にもったいないよなあ。

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