4月12日 (日)  『一生懸命』幻のたかやん日記 第101弾! 2009.4.12(日)   たかやん

『一生懸命』幻のたかやん日記 第101弾! 2009.4.12(日)   たかやん

95歳
拝島の信子伯母ちゃんのお見舞いに、兄貴と母さんと三人で出かけた。伯母は95歳。母さんより11歳年上である。去年までは元気だった伯母がベットの上で寝ていた。殆ど動けない状態で、声がうまく出せない。それを見た母さんは、ショックでご飯を食べられなくなった。ずっと元気だったから、予想外の弱り方にショックだったのだろう。病院の帰りには福生の礼子叔母ちゃんのところへ・・・。礼子叔母ちゃんもいつの間にか80歳。二人とも母さんにそっくりで、僕ら兄弟が大好きなおばさん達。みんな若くて綺麗だったのに・・・いつの間にか80歳と84歳と95歳・・・僕が55歳になるわけである。

レッドクリフ
久しぶりにテレビで映画を見た。赤壁の戦い・・・自分の息子の名前は、諸葛亮孔明から貰った。そう言えば昔、最後の中学校で校長からこう言われたことがあった。「君のことだから三国志を読んだことがあるだろう。君はまるで項羽だ。」「(はて、三国志に項羽とは・・)」僕は黙って聞いていた。どうやら校長は三国志を読んだことがないらしかった。そんな懐かしいことを思い出しながら、僕はレッドクリフを見ていた。

駅立ち
明日はひばりが丘で駅立ち。もう寒くないから、防寒の心配はないだろう。5時55分だともう明るいはず。そして新しい子ども達とも会えるはずだ。楽しみである。

教師になりたいと思っている人へのメッセージ
第十歩 「ピグマリオン」
「ピグマリオン効果」という心理学用語を知っているだろうか?教師や親やコーチが子供達と接する時に「この子は凄くいい子だ。」「物凄い才能がある。」「将来有望だ。」と本気で思うことで、子供達が本当にそういう風に変化していくということが頻繁にあるというのだ。勿論僕はそれを実践してみた。そして「ピグマリオン効果」はいたるところで力を発揮したのだ。この効果の味噌は本気でそう思い込むことである。そうでなくても本気でそう思い込むと、段々子供達はいい方向に変化していくのだ。

例えばこういうことがあった。どうしようもない問題児がいた。小学校からの札付きのいじめっ子だ。母子家庭だったのだが、お母さんはいつも学校に呼び出せれては先生に怒られていた。2歳違いのお姉さんがいた。そこで僕はこう思い込む。(こいつはいい奴だ。元気がよくてこどもらしい子どもだ。テニスをやらせたらきっといい選手になる。)悪いことなど全て忘れる訳だ。そして職員室掃除にきたお姉ちゃんにふと漏らすのだ。「あの子はいい。実にいい目をしている。テニスやらせたらきっと凄い選手になる。」廊下で会うたびに「いいよ、君の弟は…」とお姉ちゃんの友達に聞こえるようにいう。彼がテニス部に入りたいといってきたのはそれから2週間後のことだった。そして彼は本当に凄い選手になったのだ。大事なのは何度も言うようだが、本気で思い込むこと。本気なのだから自分が漏らす言葉はいいことばかり。それがまわりまわって子どもの耳に入るという訳。それを聞いた子どもは勿論やる気満々になる。その先生を好きになる。その効果は計り知れない。

ところが、学校の先生はこの逆をしてしまうことが実に多い。「逆ピグマリオン」だ。小学校で悪いと評判になると「この子は悪い子だ。」と決めつける。そう思い込むから漏れる言葉は悪い言葉ばかり。その言葉がまわりまわって子ども自身の耳に入る。それを聞いた子供達は「あの先公の野郎…」となり、ますます悪くなっていく訳だ。

ただピグマリオンに頼っただけでは事は上手くいかない。ピグマリオンは子どもをこっちに向ける第一歩にしか過ぎない。その後に、その子供達をしっかりと見守ることが大事だ。そして今度は本当にいいところを誉めるのである。おだてるのと本気で誉めるのとは違うのだ。出来ていないのに「出来たね。」「凄いね。」といわれても子どもは嬉しくはないのだ。出来なかったことを出来るようにしてあげなくては本当に誉めることはできない。そしてその技術こそがプロのテクニックなのだ。子供達に自信をつけてあげよう。それには多少の苦しさはつきものだ。その苦しさと一緒に向き合おう。そして一緒に乗りきるのだ。その方法はたくさんあるだろう。自分だけの方法を考えるのも面白いし、人のテクニックを真似るのもいい。いいものは全て盗めばいい。本物のプロは自分のテクニックを隠しはしない。誰にでも喜んで教える。教えるけどなかなか真似ができない。そういうものなのだ。だから人に隠すような技術は本物ではない。そんなものは真似る必要もないのだ。プロになりたければ誰が本物なのか自分の目で見分けなくてはいけない。貴方の周りには必ず何人かのプロの教師がいる。子供たちに対する表情や言葉でその人はすぐに分かる。その人は温かい目と温かい言葉を持っているから・・・・。

(写真はカット)

前列左から3番目が、僕の敬愛する河合隆慶先生。プロ中のプロだった。僕はこの先生とであったお陰で、明るい人生を歩くことができた。
* もう直ぐ月曜日になる。本格的に授業が始まるだろう。ピグマリオンを知っている先生と知らない先生とではどれだけの差がつくだろう・・・・子どもたちの人生にとって、決定的な違いがでてもおかしくない。学校が楽しくて、楽しくてしょうがないようになるか・・・それとも行きたくない場所になるか。それは担任の先生、顧問の先生にかかっている。
takayanchan@jcom.home.ne.jp                  たかやん