7月24日 (土)  『一生懸命』幻のたかやん日記 第206弾! 2010.7.24(土)  たかやん

『一生懸命』幻のたかやん日記 第206弾! 2010.7.24(土)  たかやん

16時30分
左の胸がキリキリと痛む。救急車でここに運ばれたのは13時頃か・・・。もうあれから4時間近くが経とうとしている・・・。

タイブレーク
僕らは第1シード相手にファーストを3−6で落とし、セカンドは4−0でリードしていた。ところが4−1、4−2と追い上げられ・・僕のサービス。そこがポイントなのは間違いなかった。朝、ビデオでフェデラーのサービスを見ていたので、調子はよかった。昭も前で動いてくれていたので、殆どキープしていたのだ。僕は気合を入れサーブを打った!次の瞬間、左の背中に鈍痛が走った。しまった!筋肉を傷めたか・・・・それでも、そこが分岐点、痛みを堪えてサーブを打ち続ける。痛みは増していくが、やめる訳にはいかなかったのだ。勝てば全日本が見えてくるのだから・・・・。40−30から渾身の力を込めて打ったサーブはリターンミス。僕らは5−2でチェンジコートをした。その時、背中の痛みは、胸の痛みに変化していた。「昭、ちょっと胸が痛いんだ」と伝える。熱中症だと思ったのだろう。昭は「これを取れば休憩をもらえる。頑張ろう!」と僕を励ました。そして、僕らは6−2でセカンドセットを奪ったのだ。
しかし、5分経っても胸の痛みは増すばかりだった。僕は痛みを堪えて1番コートに入った。そう、このタイブレークを取れば、第1シードを倒せるのだ。(心臓が頑張れるところまで頑張ってみよう・・・)その時、僕はそう思っていた。しかし、5ポイント目で「昭、ごめん、もう駄目だ。動けない・・・」と言った。昭は「わかった。やめよう!」そう言ってくれた。それからはもう誰の顔も見えなくなっていった。

救急車
一緒に昭が乗ってくれた。僕の携帯からひとみに連絡をしてくれた。そして時々、僕を励ましてくれた。不思議だったことは左の胸から時々、ポコポコという音がしたことだ。救急車は猛スピードで走る。「どけー!」と絶叫しながら、飛ぶように走っていく救急車。触れるたびに激痛が走る。深呼吸しても激痛が・・・救命士はこの時点で「おかしいな・・・」そう呟いていた。(このまま死ぬわけにはいかない。)子どもたちの顔とひとみの顔が交互に浮かんだ・・・。理由は分からないが、死なないような、そんな気がしていた・・・。

立川災害医療センター
救急車は災害医療センターに到着した。直ぐに服を脱がされた。シャツは分かるが、パンツまで脱がされたのには参った。(え、なんでパンツまで?お願いだから、何かかけてよ!)そう叫びたかったが、痛みの方がそれを上回っていて・・・「痛い」と唸っていた。

心臓
どうやら心臓ではないらしい、と分かったのはそれから30分も経っていただろうか・・・心電図、エコーとやっている内に、心臓は正常という結果になったのだ。そして、CTを見ていた先生が、僕の左の肺が潰れているのを発見したのだ。

今日の写真
その時のCTの画像がこれです。左の肺の下の黒いところが空気が漏れた場所です。そこに空気がたまり、肺の3割ほどが萎縮してしまったことが分かります。肋骨の間からボールペン程の太さの管を打ち込み、その空気を抜くことで肺を元の形に戻す治療法が取られることになりました。因みに真ん中の丸いのは僕の心臓です。かなりでかく、スポーツ心臓だといわれました。1分間に45回くらいしか鼓動しないのですから・・・・。この画像おかしいとは思いませんか?答えは明日ね。

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