How long are you going to stay? 久しぶりにカナダに来た。空港で「How long are you going to stay?」と聞かれ、 「for about a month.」と答える。コロナ対策で、隔離する期間を入れると、自由に 動ける日数は2週間程度しかない。全く、面倒臭い世の中になったものだ。カルガリー空港から小さなホテルの一室に閉じ込められて・・・・そのホテルで目が覚めたところで、時計を見ると・・・5時。カナダのホテルじゃあなかった。どうせなら、空と会ってから目が覚めたかったなあ・・・・。
『学習指導要領って知ってるか?』「何スカそれ・・・・」『小学校や中学校の教え方の基本みたいなものかな。』「へえ・・・それって重要なんですか?」『まあ、重要な部分もあるし、それはどうなのよっていう部分もある。文部科学省の役人が考えたものだからね。』「文部科学省の人って、凄い人じゃないんですか?」『別に凄くはないだろうよ。現場を知らない人も多いだろうし・・・。時の政権の意向を汲んだ官僚にはロクなのがいないかもよ。反対に、日本の教育を本気で考えている人の中には素晴らしい人もいるとは思うけどね。』「それで、学習なんでしたっけ?」『指導要領。』「その指導要領がどうかしたんですか?」『中学校がこの4月から新しい学習指導要領になるんだ。』「何がどう変わるんですか?」『結構いいことが書いてあるんだ。例えばね、学習評価の改善の基本的な方向性っていうのがあってね、 @ 児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと A 教師の指導改善につながるものにしていくこと B これまで慣行として行われてきたことでも, 必要性・妥当性が認められないものは見直していくことってなっているんだ。』「何となくわかる気もしますけど・・・よくわかりません。」『要するにだ。評価のやり方を改善しろよな!って言ってるんだ。@は子ども達が伸びないような評価はするなよ!って言ってるの。』「例えば?」『全員に大量の課題を出しても、子ども達が伸びないことは誰もが気づいているんだ。アホだろうが・・・・』「ですね!」『Aでは評価をしながら、自分の授業のマズさに気づけよ!って言ってるんだ。子ども達の評価が悪かったら、それはお前の授業が下手なんだからな!って言ってるのよ。』「なるほど・・・」『Bでは今まで慣行でやってきた課題だとか、ノート提出だとか、授業中の挙手の回数を記録するだとか・・・そういう糞みたいなことはアカン!って言ってるんだ。』「それも納得です。」『だろ?高校生だってわかるよな。』「はい」『問題はだ。それが分からない教師が大勢いるってことだ。』「いるんですか?そんなに大勢・・・・」 『いるんだよ。それで、今まで通って来たからね。閉鎖的な社会で、圧倒的に生徒より教師の方が立場が強いだろ?内申という切り札を持っている教師達はそれをチラつかせて、自分の力を誇示するんだよ。授業力がない奴らに限って、そういう切り札をチラつかせて生徒達をコントロールしようとするんだ。』「確かにそういう先生いますね。」『だろ?それが少なければ問題ないこともないけど、まあ許せるんだけど、そういうのが主流になると・・・学校は駄目になっていくんだ。それが怖いのよ。』「学校が荒れていくとか?」『荒れるならまだいい。死んでいくんだ。』「死ぬって・・・・」『教師に逆らうことも出来ない子ども達が育って行くんだよ・・・。荒れた方がマシだろうよ。』「荒れるのは嫌ですよ・・・・」 『勿論、荒れるより荒れない方がいいに決まってるさ。でも、子ども達が死んでしまうよりはいいんだ。』「・・・・・・」『また、明日話そう・・・』「はい」
「何の話でしたっけ?」『ああ、学習指導要領の話だったよね。』「何か難しくて・・・・よく分からなかったんですけど・・・」『ああ、俺も嫌いだよ。学習指導要領っていう言葉。昔から、文部省の役人が考えたことに従いたくないって思っていたし・・・指導要領って言葉そのものが固い感じがするだろ?』「確かに・・・なんか、固い感じがしますね。」『指導に要領だからねえ・・・・』「どっちも、ちょっと嫌な感じがしなくもないです・・・。」 『でしょ、でしょ?特に教員採用の面接で聞かれた仲間の受験生がいてさ・・・ほら、俺は二次試験受けられなかったから・・・その言葉を聞かれるのは免れたんだけどさ・・・・もし、聞かれていたら・・・・』「どう答える積りだったんですか?」『なんすか!それ?って答える積りだったよ。』「それって、落ちるじゃないですか・・・」『聞かれなかったから落ちなかったんだよ。』「そっか・・・ラッキーでしたね。」『まあね。』「それで、昨日の続きは・・・?」『学習評価の改善の基本的な方向性だったよね。@ 児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと A 教師の指導改善につながるものにしていくこと B これまで慣行として行われてきたことでも, 必要性・妥当性が認められないものは見直していくことっていう3つだった。』「はい。そんな話でした。」『要するに評価のやり方を変えなきゃダメだぜって、国が言ってるんだ。授業で手を挙げられる子と挙げられない子がいるじゃん。分かっていても挙げられる子と、挙げられない子がいてさ。何で手を挙げた子の評価が上がるのよ。それって、性格の問題じゃん。下手すると、分かったなくても手を挙げることで評価が上がる子だっているよね。それって、評価として正しいか?』「いえ。間違ってると思います。」『そうだろ。高校生でも分かることが分からない教師が彼方此方にいるんだよ。それじゃあ、子ども達が伸びる訳がないだろう・・・』「ですねえ・・・でも、周りがやっていたら、僕もやってしまうかも・・・・」『そういうのをメダカ症候群っていうんだよ。』「メダカ症候群」『自分の脳みそで考えないで、周りと同じことをすることで安心するタイプの人間のこと。虐めをする奴らもその病気が多いよね。いつでも力が強い集団の方にいたい奴らっているだろ?』「ああ、それ分かります・・・・」『今日は遅いから、また明日ね。』「はい」